三江線は、2018年3月末をもって廃止されるJR西日本のローカル線。

廃止前に一目見よう、一度は乗ろうと、全国各地から鉄道ファンやマニアの方が大勢詰めかけ、大混雑、大盛況な状況なんだとか。

鄙びた山間部を走るローカル線には似合わない風情ですね。と言いつつも、ちょうど帰省する途中に寄るのもいいなと考えて、大勢のファンの皆様と一緒に、乗ってきました。

トイレの故障した単行ディーゼルカーにて4時間の旅!

JR三江線・上りの直通列車は1本のみ

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2017年12月某日、早朝5時ちょい過ぎのJR三次駅です。

JR三江線は、広島県の三次と島根県の江津を結ぶ、赤字ローカル線でして、その距離およそ100km、快速や急行列車など運行されていないのはもちろんのこと、全線を直通して走る列車も、上りは1本、下りは2本と、乗り鉄には不便な路線です。

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前日は広島から来て、ホテルに宿泊しました。

実体験的な三次駅周辺ガイド

ホテル・アルファーワン三次に泊まりました。シングル禁煙ルーム・一泊5,900円

駅周辺では、コンビニは三次駅に小さなキオスク的なセブンがあるだけです。

食べ物は、ホテルの1階の居酒屋(定食類あり)か、駅からの道沿いにある『すき家』とホカ弁くらいしかありません(他に居酒屋2軒ほど)

ファミレスはココスがあるようですが、道が反対方向で行ってません。

わたしの場合は、ホテル1階の居酒屋で爆飲み後、すき家でご飯食べて爆睡。

朝、5時17分頃に三次駅に到着しました。

三江線、上り(江津方面)の始発列車は、5:38発。次の列車は10:02までありません。

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すでに長蛇の列(笑)

一両編成って聞いてましたから、これは乗れるのか!と一瞬思いました。

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いわゆる一般的な利用客は見かけませんね。皆さん、鉄道ファンな模様です。

いざ、乗ってみると、前方運転席や後方運転席周辺に群がるファンも多かったので、ギリギリ座席に座ることができました。ラッキー。





トイレは故障中(笑)

気動車にはトイレ付いてましてけど、故障して使えないとのアナウンスがあり、車内は一時騒然とした雰囲気になりました。

ワンマンカーです。

運転手さん曰く、トイレに行きたい人は申し出てください。途中の駅でなんとかします。って事でしたけど、結局、最後まで申し出た人は居ませんでしたよ。

わたしも、お茶とか持ってましたけど、飲まず食わずで約4時間を過ごしました。

422Dは口羽で28分停車

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出発進行!

あさ早いので真っ暗です。

真っ暗なまま約1時間ほど走ると、口羽という駅で、およそ30分停車しました。

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口羽はゲンジホタルの発生地。

見頃は6月中旬〜下旬とありますが、その時期は、もう廃線後ですね。

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この駅には、綺麗なトイレがありました。

トイレも長蛇の列。次はいつ行けるか判らないので、わたしも並びました。

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真っ暗な山の中で停車中の満員状態のワンマンカーの図。

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乗車証明のサインでしょうか。運転士さんは停車中も大忙しでした。

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それにしても列車の行き違いも無いし、無人駅に、なぜ30分も停車するかは謎です。

天空の駅・宇津井

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宇津井駅は、日本一の地上高さを誇る有名な駅です。

高架になった駅のホームから地上までは、ビルの高さで6階〜7階建ほどに相当するんだとか。そんなに高いのに階段しかありません。

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写真撮影などが目的らしく、この駅で大勢のファンが下車しました。

車内は、一気に人も半減して、ようやく一息つけた雰囲気に。

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列車の行き違いなども、多少は調べてきてて、写真もちゃんと撮りたかったのですけど、混雑した車内なので、イマイチ、上手に撮れませんでした。

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ちょっとイライラ

駅に停車するたびに、景色や駅名標を撮ろうと、座ってはすぐ立ち、混雑した車内を前後に、人にぶつかりながら、「スミマセン」と言いつつも、チョコマカと移動する豪の者がいましたよ。落ち着きがありませんね。途中から多少は乗車して来た一般のお客様には迷惑な行為だったかもしれません。

列車でも路線でも廃止間際に見に行くと、どうしても、そんな人に遭遇しますよね。

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ようやく日の出です。

冬至のちょい後でしたから、タイムスタンプをみると、日の出時間は7:51分です。

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こちらは、座りながら撮影をする人達。

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列車は江の川に沿って、くねりながら、ゆっくりと進みます。

どこまで行っても、山間の風景と、赤い瓦屋根の民家、雑木林が続きました。

沿線の民家には、どの家もマイカーがあるし、人口密度的に言っても、利用客数は厳しそうだし、目玉な観光地も無いし、確かに存続の厳しい路線ですね。

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長いようで、いざ乗ってみると、夢のように4時間の旅は、あっという間にすぎました。

山陰線・江津駅到着、9:31。列車はこの後、終点浜田に向かいます。わたしはここでお別れして、すぐに接続した、やはり単行ワンマンディイーゼルカー・出雲市行き普通列車に乗り換えました。

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江津の駅も人気の少ない駅でした。一応特急停車駅でして、とても長いホームは、寝台特急出雲が運転されていた頃の名残なんだとか。

ちなみに切符を購入するとき、○○駅のみどりの窓口のお姉さんは、江津が読めませんでした。『ごうつ』が正解です。





次の廃止候補は木次線?

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(山陰線・江津-出雲市間)

三江線が廃止されて、次に危ないのは、お隣を走る木次線という噂があります。

三段スイッチバックで有名ですよね。

JR西日本が発表している、区間別平均通過人数および旅客運輸収入(2016年度)によると、

平均通過人数(人/日)の少ない順で

  1. 三江線 83
  2. 大糸線 100
  3. 木次線 204

と、木次線はワースト3位です。

今は、行楽シーズンにトロッコ列車が運行されていますけど、車両の経年劣化もあり、先行きは不透明なんだとか。

次回は、廃止騒ぎになる前に、木次線に乗りたいと思います。前回乗ったのは高校生の頃だから、30年以上もご無沙汰している路線です。

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廃止されたら二度と乗れません。

JRも、赤字路線を、ただ廃線するだけじゃなくって、集客も色々と考えたらいいのにね〜

若桜鉄道とかいすみ鉄道とか、第三セクターになってから頑張ってる路線を、少しは見習ったらどうなのって、久しぶりに廃止間際の混雑列車に乗りながら、偉そうにも上から目線で、そんなことを考えていました。

(終わり)

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